特別鼎談「災害に強い自治体をつくるために」(9/9ページ)

菊池 今回、おふたりからいろいろとお話を聞いて、今後、私たちがどうしていくべきかということの参考になったと思います。災害対応の課題として、被害にあわれた住民の方をどうやってリードしていくかということもありますし、災害時を見据えた職員体制はもちろんのこと、災害対応していくうえで必要な予算や、それを踏まえたシミュレーションなども必要なんだということが少しずつ見えてきたと思います。組合としてもそのあたりを今後の要求項目のひとつとして考えていく必要があるということを知ることができて、本当によかったと思います。
最後に何か言い足りなかったことや、これだけは言っておきたいということはありますか?

村山 そうですね。やっぱりひとつの市のなかで持っているノウハウって限られていて、それこそ伊東市で経験したことが島田市ではもしかしたら経験がないかもしれないし、逆に島田市が経験したことを聞いて伊東市が「ああ、そういうことがあったんだ」と思うこともあるかもしれない。だからそういったノウハウだとか、「こういうことがあって大変だったよ」みたいな経験をお互いに伝えあえるような仕組みや協力関係を、組合の関わりでつくっていけたらいいんじゃないかと思います。
今回、台風15号も19号も、伊豆半島のあたりから東部の北側のあたりの被害が比較的大きく、ある程度東部に集中していましたが、次のときは逆に中部や西部に集中的に被害が出るかもしれない。そうしたなかで、県内の自治体同士でこういうときにうまく連携できるような仕組みがあると――初動対応のこととか、「こういったときはこういうふうにやりましたよ」とかをお互い教えあうような、自治体同士の連携を考えていけるといいのかなと思います。

杉岡 今のことに付け加えるんですけど、よその市と災害協定を結んでいる自治体があると思いますが、そういうのじゃなくて――たとえば今、村山さんが言ったように、同じ県内の自治体のなかで、業務として以外に、たとえば組合同士のつながりのなかで協力しあうというか、「うちの市のことで、ちょっと手伝ってくれないか」みたいな要請って自治労連のほうにあがってきたりしないですか。たとえば、島田市がすごく困っていて、県内の組合のつながりで助けてほしいみたいな要望ってあがってこないですかねえ。
今回、近隣だと焼津市とかすごい被害があったんですが、他市に助けを求めるような話は何も聞かなかったんですね。函南町とかあっちのほうは被害が出て、ボランティアを募集していましたが、たとえばそこで被害のない県内の自治体に声をかけるとかね。
災害支援のボランティアって、何かきっかけがないと行かないと思うので、そこで「組合の呼びかけがあったから、友だちを誘って行ってみようかな」という、きっかけをつくってもらうのってすごく必要なのかなと思います。たとえばそこで僕が伊東市に行ったときに、「こういうことがあって大変だったんですね」という情報の共有もできますし、ずるい話として、逆に島田市で何かあったときに来てくれるんじゃないかという思惑もあって、そういう人の付き合いがそこで生まれると思うので。
まあ、台風だとルート次第で、島田市が被害を受けたときは伊東も被害を受ける可能性が高いかもしれませんが、それでもたとえば千葉からボランティアに来てもらうよりは、伊東市や浜松市から来ていただいたほうが対応も早いですし、「遠くから来てもらって申し訳ない」という思いも少なくて済むんじゃないかって。
まずは県内でそういったつながりをつくるというか、被災した自治体に「大丈夫ですか?何かあれば組合を通じて支援しますよ」って呼びかけをしていただけるといいのかなと思います。

菊池 そうですね。行政は行政同士で協力関係はあるでしょうが、組合から「ここでこういうボランティアを必要としている」という情報を流すことも必要なことですね。今回は、いちばん被害の大きかった千葉への災害支援ボランティアを案内しましたが、県内のところでもそういったものが必要ですね。

杉岡 そうですね。やっぱり「千葉に行ってください」って言われても、「どうやって行けばいいかな、車かな、やっぱり大変かな」ってなっちゃうので、たとえばそれが浜松市だったら「じゃあ行こうかな」となることもあると思うので、ぜひ組合でもそうしたことに取り組んでもらえたらと思います。

村山 被災した当事者になると本当に余裕がないので、「他市に要請をしよう」という気持ちの余裕も、要請をかけることも簡単にできないところがあります。また、自分の自治体以外でどこが災害を受けていて、どこが大丈夫なのかもわからないことがあるので、準公共的な立場の人が、ここの範囲で被害を受けているとわかった段階で、協力してくれる他市と連絡を取って、被災自治体に手を差し伸べてもらえるとありがたいんじゃないかと思いますね。

菊池 貴重なご意見をありがとうございました。

杉岡 ありがとうございました。

村山 ありがとうございました。

 

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