望月衣塑子 × 前川喜平 特別対談(3/7ページ)

前川 僕もこれからこの安倍さんの支持が伸びるとは思っていないし、そうなってほしくないんだけど――確かに望月さんがおっしゃるように、「やってる感」はずっと出さなきゃいけないという、それはどの分野でもそうですよね。北方四島についてもあの「やってる感」――

望月 「やってる感」(笑)

前川 もうほとんど破綻していますけど。それから拉致問題も何もやってないけど、「やります感」みたいな――やりますやります詐欺みたいなことをやっているんです。

望月 そうですよね。

前川 だから改憲もある意味で「やってる感」のところがあると思うんです。
しかし、安倍さんは本質的には改憲をしたいと思っている。それがどれくらい信念を持っているかわからないけど――でもおじいさんの言い伝えみたいなものがあって、これをやんなきゃお母さんに説明できない――みたいなところがあるんじゃないかと思うんだけど、

望月 (笑)

前川 確かに強固な支持母体である日本会議につながる人たち――神社本庁なんかもそうですし、いろんな宗教団体もついてますが――そういう人たちの支持をずっと維持しつづけるためにはやっぱり改憲の旗をずっと押し通すことが必要なんですよね。
ただわたしは、何かの拍子に本当に改憲に突きすすむことはありえると思っています。わたしがいちばん怖いと思うのは、偶発的な武力衝突ですよ。

望月 ああ。

前川 相手が北朝鮮か韓国か中国かはわからないけど、どこかで何か武力衝突が起こって――どちらがどういうふうに挑発したかはわからない、トンキン湾事件だってそうだし、盧溝橋事件だってそうですけど――何が起きたのかわからないうちに武力衝突が拡大するなんてことがあり得ると思います。いま非常に挑発的なことをお互いの国がやっていますから。
戦争までいかないにしても、武力衝突が起こると世論っていうのは「うわっ」と沸くと思うんです。新聞なんかも――これは戦前にも戦中にも起こったことだけど――東京新聞は違うと思いますが(笑)

望月 (笑)

前川 「あいつが悪いんだ」ってかたちで戦意を煽るような報道をして、国民世論がかえって戦争する政権を支持してしまう――こういうことは偶発的に起こり得るんじゃないかな。
そうなると「こんなやつらをのさばらせるわけにはいかない」とか言って、改憲に突きすすむおそれがある。9条は改憲だ、集団的自衛権を含む自衛隊の存在をきちんと明記すべきだ、それから緊急事態においては強力な国家権力が必要なんだとか言って、緊急事態条項を飲ませるとかね。まあ、あの合区解消は関係ないけどね(笑)

望月 合区解消(笑)

前川 あれは単に自民党の参議院議員をいかに延命させるかというだけの話だと思うんですけど。

 

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壊す方の「壊憲」はどんどんすすんでいく

 

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