馬場利子インタビュー(6/6ページ)

馬場 法律家になった長男から「お母さんは投票率を上げるために活動しているけど、投票に行かないという自由もあるということを覚えておいてね。たとえば、何を言われているかわからない、学習につまづきがあったり、みんなに任せて僕は幸せに生きようと思う人もいるんだから、行けばいいというばかりではないんだよ。何が何でも行くということになったら、考えられない、考えたくないという人は間違いなく自民党に入れるから」って。
「本当?」「そんなこと考えてみれば社会学でわかるでしょう」と言われて、「じゃあ、私の活動はダメなの」「そんなことはないよ。行こうというときに考える人が増えたら、長年のうちに癖になるから実際は行ったほうがいい。だけど何がなんでもと言ったら、みなさんにお任せするよという人もいていいというのが日本だからいいんだよ」と言うので、私が「でも半分以下はひどくない」と言うと「確かにひどいね」と。「ひどい人たちが候補者なんだよね」というふうに話します。
うちは男の子二人なのですが、学校の先生に対するやるせない思いに対して「先生なんか絶対信じない」という言葉や、「政治家なんて」という言葉を言っていました。そのときに必ず言うのは、「だったらあなたが先生になって。あなたのような優しい子がいたら、子どもたちは本当に幸せだし、あなたのような聡明で、みんなことを考えられる人が政治家になったら、日本はすごく幸せ。何がダメじゃなくて、今はそうかもしれないけど、あなたがそれになって変えてほしい」と言ってきました。それに対して息子は「いやいや、僕、そんな暇じゃないから、やりたいことがあるから、お母さんが自分でやれば」って言ってましたが。
だから「ダメだ」と決めつける言葉を否定はしません。でも「だったらあなたはどうしたいの?」「だったらあなたが先生になったらいいんじゃないの」というふうにしていけば、やはり世の中は変わるって前提に生きていたいですね。

青池 今の若い人たちを見ていると、流されないで自分が納得した上で動くという人が多くなってきましたね。僕らが納得してもらう努力をしていく必要があるんだということを感じますね。

馬場 あと、学生時代に学んだことって本当にちっぽけで、ほとんど入口だけですよね。でも一つのテーマを持ったり、たとえば労働組合にしても、私たちの消費者活動にしても、そこで学ぶ知識は本当に自分を支えてくれるし、仲間もできるし、「なぜ学ぶのか」ということが分かるから、卒業したあとにどれだけ自分が新しいことを学んだり、吸収したり、実践したりするかということが、実は学びなんですね。
「死ぬまで学びだから、学生時代の知識のなかだけで生きていこうなんて、それはもうこの時代できないよね」って、受験生だった子どもたちを励ましました。「なんで俺がこんなつらいことをしているんだよ」と言うから「いやいや、みんな卒業しても死ぬまで勉強するんだから、大丈夫」って言ってました。

青池 一生、勉強ですね。

馬場 仲間が集まると「こういうことを話し合えたり、聞いてもらえたりする仲間がいてよかったね」というのはよく聞きますね。そういう緩やかな場がそこここにあったらいいですね。
私は全国を150回まわって憲法出前講座をしているのですが、「万が一私の目が黒いうちに憲法改正を言い出して、それも平和条項に違反するようなことがあったら、私は年金をはたいて皆さんのところに来るのでまた呼んでください。でももう二度とお目にかかれないことを祈っています」って言って笑ってお話をしています。いまだにいろんなところとお付き合いをしているので、私はここから平和を願う気持ちは日に日に高まり、日本国憲法こそ私たちの孫子の世代を守ってくれると思っています。

青池 まさに自治労連の中心の取り組みなんです、憲法を守ることは。

馬場 よかったです。お目にかかれてすごくうれしいです。これもウクライナのことがないとこうして出会えなかったわけですね。

5月6日に静岡自治労連が実施した「ウクライナ避難民インタビュー」の様子。避難民の方々から託された平和への思いや支援拡充の要望を憲法キャラバンで各自治体に伝えていきます

青池 これから自治体に要請とか懇談をやろうと思っていますので、憲法キャラバンと言って回っているのですけど、憲法に関することでいろいろ懇談を自治体としています。今回は憲法のことと、ウクライナのことを取り上げていきたいと思います。

馬場 やはり平和な世界、お互いに信頼しあうということは、非常に心を尽くして地域でできることをしていって、ウクライナの彼女たちや彼らが、日本はこういうステキな国だよと言ってくれることですよね。遠回りのようで実はすごく大事なことだと私は思っています。今日は声をかけてくださってありがとうございます。

菊池・青池 ありがとうございました。

 

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