馬場利子インタビュー(5/6ページ)

青池 いま公務員のなかでも「公務員だから選挙に行ってはいけないんじゃないか」と思っている人が本気でいて、私たちは「大事な選挙だから投票に行きましょう」と促すことをしていますが、まずはとにかく選挙に行ってほしいと思いますね。

馬場 そうですね。こうなってほしいという夢があるのだったら、一番考えが近い人に投票しようということはずっと言っています。
選挙のたびに「馬場さん、誰に入れればいい?」と聞いてくる若い人がいて、「何を視点に答えたらいい?」と言ったら「馬場さんが入れる人、教えて」って。「それはなかなか難しい」と言いながら、「国政選挙だとこういう党が近い」という話はします。そうやって聞いてくれる子は選挙に行こうと思っている子なので、なおざりにしないようにしています。

菊池 何をやっても日本は変わらないというようなことはないですよね。

馬場 そう思ってらっしゃる人にはそれが現実なんですよ。でも世の中はものすごく変わりました。環境カウンセラーとして講演に行くと、若いお母さんたちが関心があるのは食べ物のことなんですね。
私が結婚した頃には丸大豆醤油というのはなかったんです。醤油は大豆からつくるのが当たり前なのに、脱脂加工大豆で作っていて、後から色を付けて、添加物いっぱいの醤油しかスーパーにはなかったんです。そんな話をするとみんなエエッ!ってビックリするんですよね。
当時私は丸大豆醤油をつくっているお醤油屋さんを探し出して、共同購入をしたりしていました。でもいまはオーガニックの大豆で国産大豆、丸大豆100%の醤油がないスーパーはないですよね。
もう世界は変わっているのです。もちろんとんでもない水だとか、悪く変わった部分もあるんだけど、でも「こういうの、ほしいね」ということは、動けば必ず変わります。何をしても変わらないという人は、何もしなかった人です。
職場でも色々諦めていて、嫌だなと思っても我慢している人がいますが、「この方がいいんじゃないですか?」という声が上がれば、例えそのときはシーンとしていても、いずれそうなっていきますよ。
小学校もそうでした。「子どもたちが寒そうなので、真冬に半袖・半ズボンの体操服だとか、名札をつけなくちゃいけないということは、選ばせてください。だって先生たちだって長袖着てるじゃないですか」と言ったら先生たちは顔を見合わせて「ずっとそうなっているんです」とか言っていましたが、今は全然ですよ。名札も危ないとなって、今は私服で登校していますよね。
だから何をしても変わらないなんてことは絶対にないです。願い続けて、同じ仲間を見つけていくことは、別に徒党を組むわけではありませんし、いいと思います。

菊池 私もそう思います。

 

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