馬場利子インタビュー(4/6ページ)

菊池 今まさに日本が戦争できる国になるような方向に行ってしまうかもしれないというなかで、7月には参議院議員選挙があります。もし憲法を変えて日本も武力を持ちたいという人たちが国会で多数を占めてしまうと、そういう方向に流れていってしまうのではないかと心配しています。私は今の憲法で、日本が平和な国づくりを世界にアピールするための集まりに国会がなってほしいと思います。
そういう意味では今度の選挙は日本がどちらの方向に行くのか決めてしまうような選挙になるのではと考えています。
今回の参院選は、みんなでどのようなことを考えていく選挙にするべきか、馬場さんの考えをお聞かせください。

馬場 そうですね。市町とか、自分の地域で起こっていて、もっともこうなってほしいと望むことは選挙のなかでなかなか話題になりません。選挙では教育や福祉の充実とか、みんな同じようなことを言っている。何が違うのかわからなかったら、いま権力を持っている人に入れたい、死に票にしたくないというのがいまの若者たち、グループを持たない人たちの傾向のような気がします。
私は原発反対の署名活動で町に立つことがあります。通行人に「どう思いますか?」と聞くと、「こんなことをしても意味ないじゃん」とよく言われます。それは若者です。そういう若者たちの心のなかには私の考えがおかしいのではなくて、こうなってほしいと思っても実現しないジレンマや歯がゆさが私に向かってきているのではないかと思います。
私はチェルノブイリ原発事故のあと、原発を使い続けても危険な放射性廃棄物は処理できないし、もう自然エネルギー発電で十分やっていけると思ったので、「原発いらない」を政策の1つにしてほしかった。でもチェルノブイリ原発事故のときも、福島原発事故が起こったあとも、国会議員の方は「原発を争点にしても勝てない」ということをよく言われるのです。争点にしなかったら私たちの思いはどうやって実現していくのか。それで勝てなくてもあなたはそれだけを言うわけじゃないから、ぜひ原発ゼロを謳ってほしい。原発をイヤだと思っている人は、それであなたと他の候補者との違いがわかるんだと言うのですが、やはり二の足を踏まれるのです。それは地域でも、市議選でも、県議会選挙でもそうです。
今回候補者が街頭演説に来たら「武器を持たない平和憲法という条項をどう思いますか」という質問を続けたいと思います。
私は憲法を一字一句とも変えてはいけないとは思っていませんが、平和条項を維持してくれる候補者なら一票を投じたいし、自分たちがこうなりたいという国のテーマを伝え続けることが市民にできることだと思っています。
もう1つは、男女雇用機会均等法ができて、うちの息子たちも同級生や先輩の女性に対して、以前の男性とはまったく違う考えを持っています。本当に同権。だから結婚しても仕事を続けるなんてことは当たり前だと思っています。
福島から九州に避難してきた女性で、とってもいい方が今回立候補するんですけど、家族はみんな賛成して、応援しているんですよね。もう本当に以前とは風景が違っています。彼女は教育のことをテーマにしていて、県議会でも市議会でもずっと陳情していたり、変えようとしている人なので、国会議員になってもきっとやってくれると思います。
テーマを持っていて、国をこう変えたいという人がたくさん出てくる。そういう人が地域にいたら私は全面応援したいと思っています。供託金をクラウドファンディングで集めたりして。自分のまわりの若い人で、国会議員になりたい人がいないかなと思っています。自分たちと同じ思いの人が国会に行ってもらいたいと、本当に望んでいます。

青池 そういう人が増えると投票率も上がるでしょうね。

馬場 上がってきますね

 

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何をしても変わらないなんてことは絶対にない

 

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