活動報告

「2017憲法キャラバン」―沖縄基地問題にみる地方自治のあり方と指定管理者制度について掛川市長と懇談

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掛川市の松井市長(右奥)と懇談する林委員長(左奥)と青池書記長(左手前)

静岡自治労連では、2009年度から毎年、県内各自治体に対し、日本国憲法を地方行政に生かすことに関する要請と懇談(憲法キャラバン)に取り組んでいます。
今年は、①地方自治の観点で辺野古基地移設問題についてどう考えるか(主に資料提供)、②公的サービスの産業化が言われるなか、アウトソーシングのツールとしての指定管理者制度に対する静岡自治労連の提言の2つのテーマに沿って自治体首長・当局と懇談を実施。8月1日には掛川市の松井三郎市長と懇談をおこないました。

①「辺野古基地移設問題」では、静岡自治労連から「辺野古の公有水面埋立承認にかかる問題は、国と地方の係争処理の先鞭となったが、国側がルール違反を犯したことは重大な問題だ。すべての自治体にかかわる問題であり、ぜひ関心を持ってほしい」とうったえました。
これに対し、松井市長は「辺野古の問題はさまざまな意見があるが、裁判所は『地方の問題』という観点から見ていなかったように思う。地方の首長の立場からすれば、我々の主張をもっと理解してほしいという思いはある」「地方分権はあるところで仕切り直しが必要かもしれない」「市長から離れた立場で言えば、(辺野古という)あんなキレイな場所に、なぜ(基地をつくるのか)という思いはある」と述べました。また、「地方自治体の行政を預かる者にとっては、住民の生命と財産を守るのが責任」としたうえで、「近くに軍事施設がくるのはイヤだという思いはある。以前は(沖縄においても基地があることで)経済的に潤うのではと言われたが、今はそうではない」とも述べました。

②「アウトソーシングと指定管理者制度」にかかわっては、従来の指定管理者制度が多くの問題を抱えているもとで、静岡自治労連がこの間取り組んできた事業者・労働者を対象にしたアンケート調査や、施設訪問・懇談の成果を報告。事業者・労働者アンケートの結果、「賃金が低すぎる」「指定管理料が適切でない」などの回答が多かったことや、賃金や雇用の継承を義務付けないまま導入してしまった制度の問題点、また、公共事業は人件費の積算を設計労務単価として積み上げているもとで、同じ公契約である指定管理者には積算の根拠そのものがないなどの調査結果を挙げ、「わたしたちは、公務員賃金をベースに積算、選定の公募・非公募、雇用継承などを考慮するように提言(案)をまとめた。ぜひご意見を伺いたい」と問題提起しました。
掛川市からは、「民間事業者のノウハウを活用する方がいい施設もある。掛川城公園の運営競争で、掛川グランドホテル(㈱呉竹荘が運営支援)が指定管理料を3年後に無料に、もちろんサービスは低下させないと言った。現在、指定管理料はゼロになっているが、赤字にはなっていない。客商売のようなものは公務ではなかなか難しいが、仕事の種類次第であり、指定管理者制度ばかりがいいとも思っていない」と述べました。
これに対し、静岡自治労連から「公の施設は住民の権利保障のためのものであり、研究者のなかには公務の専門性はコミュニケーション労働の深化だという人がいる。私たちは法に基づいて仕事をするが、すべての人を同じように扱うわけにはいかず、その人の権利の実現はコミュニケーションによって判別するしかない。そうしたスキルを保障するのはやはり雇用の安定性・継続性だ」「指定管理者施設の体育館を訪問したところ、若い職員が多く、仕事に対するモチベーションは高かった。しかし年齢が上がってくると、『このままここでやっていけるのか』という不安を抱えていることがわかった」と適切な労働条件の必要性をうったえました。いっぽう、掛川市側からも「掛川市では、まったくの民間企業が請けている施設は2つしかない。だいたいは市と関わりがある事業者が請けている」と回答がありました。
また、「人件費を積算しただけでは人件費は確保できない、公契約条例が必要だ」という静岡自治労連の主張に対しても、「適正な賃金を確保するということは重視している。公契約条例については県の状況を見ながら、県が条例を制定したら掛川市でもすぐおこなえるようにしたい。建設の単価が落ち着いた後にはどうなるのか。資格職は募集しても定員まで集まらない」など、積極的な発言があいつぎました。

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