静岡自治労連は、静岡県評のケア労働者の賃上げプロジェクトに参画し、2022年末から2023年はじめにかけて、医療、保育、介護などの社会保障分野のケア労働者に賃上げ等についてのアンケートを実施しました。
約1400件の回答を集約・分析し、その結果を国と県に伝えて改善を要求。また、アンケート結果と現場の実態を知らせる記者会見を4月11日(火)に実施しました。
アンケート結果からは、ケア労働者の賃上げは労働組合の運動がなければ実現しなかった重要な成果であるが、いまだきわめて不十分なものであることが浮き彫りになりました。
また、アンケートで同時に聞いた職場の実態では、医療、介護、保育などあらゆる職種で深刻な人員不足になっている実態が明らかになりました。自由記述からは、「とにかく人員が足りず、時間外労働や夜勤が増え、その結果、働き続けられない人が出て、さらに人員不足に陥る」という負のスパイラルであふれていたことがあらわになりました。
県への要請と記者会見に参加した静岡市労連・静岡病院労組の役員(看護師)は、「県内で毎年1500人の看護師が誕生するが、それ以上に辞める人が多い」「退職を考える人が例年の75%程度から84%と、約1割も増えている」「育児時短制度を利用する看護師も8時間勤務の人と同じ1人工としてカウントされるので、いっそうの人員不足になり、利用する人も気持ちよく使えない」などの自治体病院の実態を訴えました。
いま「子どもたちにもう一人の保育士を」の配置基準改善の運動が広がり、注目されていますが、配置基準の改善は社会保障のあらゆる分野で切実な要求になっています。ケア労働者の賃上げも配置基準の改善もどちらも必要不可欠で、一体の運動にしていくことが重要だと訴えました。
記者会見の反響は大きく、テレビや新聞など多くのマスコミで取り上げられました。