静岡自治労連、県医労連、静厚労で構成する静岡県看護連絡会は、5月12日「看護の日」に静岡県健康福祉部と懇談を行い、コロナ病棟の現状と看護師不足の実態、静岡自治労連が実施した共立蒲原病院・市立湖西病院の「住民アンケート調査結果」を報告。県は、公立・公的病院の再編統合で厚労省から名指しされた県内13病院について、存続していくことを国へ伝えたと明らかにしました。
今回の懇談は例年看護の日に開催している「静岡県ナースウェーブ集会」が、今年は新型コロナ感染拡大により中止となり、それに代わって取り組まれました。
静岡自治労連から中村特別執行委員、県医労連から堀田委員長、静厚労から川口執行委員、県看護連絡会から中村代表が参加し、県健康福祉部からは、地域医療課医療人材室の増田室長、医療局医療政策課の村松課長代理、感染症対策局新型コロナウイルス対策課の村松課長代理が対応しました。
懇談で県看護連絡会は、静岡自治労連が実施した共立蒲原病院・市立湖西病院の「住民アンケート調査結果」を報告するとともに、自治労連「保健所実態アンケート」を示しながらコロナ禍の保健師の残業実態を伝えました。そのうえで、①看護師不足について県としての現状認識、②保健師の増員について、③公立・公的病院の再編統合の撤回の3点について、県健康福祉部に意見を求めました。
県健康福祉部からは、①看護師不足については、「2年に1回医療従事者届けを実施し、従事者の働く実態や退職理由について記入してもらっている。例年秋ごろ結果が出る」とし、再度秋に懇談し結果を示すと約束しました。②保健師の増員については、「採用は人事課が担当なのでここでは答えられない」としながらも、自治労連「保健所実態アンケート」による時間外の実態などを見ながら増員要求には理解を示しました。③公立・公的病院の再編統合については、「厚労省から県内13病院が公表されてから、国への返事が新型コロナで延期されているが、県から国に対して公表された13病院は存続していくと伝えている」ことを表明しました。国からは「今後アンケートを地方へ送付するので結論はそれまで待ってほしい」と言われたが結論は決まっているとしました。
県看護連絡会は、「国の医療費抑制政策が地域医療の実態と乖離していることを理解してもらえて、実のある懇談だった。13病院の存続は朗報だが病床削減をしては何もならない。新型コロナでひっ迫している病床をこれ以上削減しないでもらいたい」と訴え、懇談を終えました。