昨年9月、厚生労働省は「再編・統合の議論が必要」として、全国424の公立・公的病院名を公表。静岡県では共立蒲原総合病院、市立湖西病院をはじめ13病院が名指しされています。地域事情を考慮することなく、医療費抑制を目的とした一方的な「再編・統合」の押し付けに、各地で戸惑いや反発の声が上がっています。
こうしたなか静岡自治労連では、「こんな地域と職場をつくりたい」運動として、蒲原地域の医療を守るための地域アンケート調査の実施を提起し、静岡自治労連医療部会、共立蒲原総合病院職員組合、「蒲原病院をよくする会」と連携して準備をすすめています。
その前段として、3月3日(火)、「蒲原病院をよくする会」として、蒲原病院の西ヶ谷院長、吉田事務長との懇談を実施しました。よくする会からは、静岡自治労連の青池書記長、医療部会の中村特別執行委員、蒲原病院職員組合の中村委員長、富士地区労連の塚原議長、日本共産党の鈴木県議が参加しました。
厚労省の「再編・統合」要請について西ヶ谷院長は、「地域医療構想の考え方は全否定するものではないが、公表によって『再編・統合』が強調され、病院がなくなってしまうイメージがついた」と、こうした状況に陥ったことに疑問を呈しつつ、「厚労省の名指しや機械的な基準は如何なものかと思う」、「病床削減で病院をセンター化・集約化してしまっては、病院間の切磋琢磨がなくなりスキルが上がらない。一人暮らしの高齢者などは病院が遠くなり通えなくなる」などの意見が述べられました。さらに、「民間病院が潰れたら地域医療を担えなくなる。その意味でも公立・公的病院は必要」と、院長として蒲原病院を守っていく決意が述べられました。
次に、青池書記長が地域アンケート調査の具体的な項目を示しながら説明をおこないました。これに対し吉田事務長から、「アンケートはこちらとしてもありがたい」、「蒲原病院の良い点や悪い点も含めて住民から上げてもらうことは大切」と理解が示されました。
蒲原病院は、富士市、静岡市、富士宮市の3市によって運営され、広域に亘って住民の医療を担っています。病院は小高い丘の上に建てられ防災の拠点ともなり、救急医療の提供では、近隣の富士市立中央病院と連携して、救急患者が遠隔地の病院に行かなくても済むように役割分担をしています。
静岡自治労連は、今後、蒲原病院を存続させるための地域アンケート調査を実施し、厚労省の公立・公的病院「再編・統合」の矛盾を明らかにしていきます。