「新型コロナウイルス感染」拡大防止のため、全国の小中高校の臨時休校について(談話)
静岡自治体労働組合総連合
安倍首相は2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、全国の小中高校と特別支援学校について、3月2日から春休みに入るまで臨時休校とするよう要請しました。
しかし、前例のない「全校休校の一律要請」という唐突な発表は、学期末で卒業式などを控えた時期でもあり、学校現場や関係機関に混乱を持ち込み、子どもと保護者への配慮に欠けた無責任な対応と言わざるを得ません。政府は2月25日、「新型コロナウイルス感染症対策の基本方針」を発表しましたが、具体的な「責任」が示されていません。いまやるべきことは、政府や関係機関の責任で具体的な手立てや必要な財政措置、体制強化を図ることです。
政府の新型コロナウイルス対策専門家会議委員は、「(臨時休校は)専門家会議の議論方針ではなく、感染症対策として適切かどうか一切相談もなく、政治判断として決めたもので判断の理由は国民に丁寧な説明が必要である」と指摘しています。今回の全国一律臨時休校の要請は、緊急事態とはいえ保護者や学校の大きな負担となります。「小学生の子どもを誰が面倒を見るのか」、「ひとり親や非正規労働者にどう配慮されるのか」など、保護者、学校の準備等も不十分な状況では不安が広がるばかりです。子どもの安全と健康を守るためにも、生活支援など社会全体の協力体制が不可欠となっています。
2月27日付けで総務省は各行政機関等に対して、「休みが取りやすくなる環境を整えるとともに、子どもを持つ保護者に配慮するため、テレワーク、時差出勤、適正な業務配分等の業務上の配慮を行い、職員の柔軟な勤務体制の確保、年次有給休暇等の取得等への配慮」を求めています。しかし、現行の休暇制度で上記の配慮すべき事項が実施されたとしても、非正規職員は休暇等諸制度の適用の除外にあり、休校によって業務の休止や登校しない自らの子どもへの対応などで勤務ができず、賃金も支給されない事態に追い込まれることになります。こうした緊急事態のもとで、自治体で働くすべての労働者が安心して働き続けられるために、非正規職員を含め、特別休暇が取得できるよう制度の創設等をはじめ、労働条件の改善や積極的な政策提起が緊急課題となっています。
住民のいのちと安全を守るためにも、保健所や病院など専門機関をはじめ、24時間体制で業務の対応にあたる職員の体制強化は急務です。
また、感染の拡大や重症化を防止するためには、検疫体制の強化、ワクチンや治療法の研究・開発、専門医療機関と保健所・地方衛生研究所等の十分な予算措置と職員体制の確立が不可欠です。
静岡自治労連は、感染症対策の業務を担う職員をはじめ、すべての自治体職員に迅速かつ正確な情報共有をはかり、安全で安心して業務に専念できるよう、政府と自治体に労働条件と職場環境の抜本的な改善を求めます。
以上