静岡自治労連では、憲法を地方行政にいかし、改憲反対の共同を広げるための「憲法キャラバン」に取り組んでいます。
5月31日(木)には湖西市を訪問し、影山剛士市長と懇談しました。静岡自治労連からは林委員長、菊池副委員長、青池書記長が参加しました。
第1のテーマである改憲問題では、はじめに林委員長が、安倍9条改憲の問題点や、全体の奉仕者としての公務員のあり方、憲法尊重擁護義務を負う公務員の組合として、憲法を守りいかす運動をすすめていく必要性などをうったえました。
これに対し影山市長は、市としての意見ではなく個人的な意見と前置きしたうえで、「9条改憲については、国際情勢を考えれば必要だと思う」「改憲に対しては、いろいろな考えがあって当然だ。議論していく必要がある」と述べました。
2つ目のテーマである人口社会減と外国人増への対応について、林委員長は、この間静岡県に多くの外国人労働者が転入しており、特に技能実習生が増加していると指摘し、行政としての問題意識と対策を尋ねました。
また、リニア中央新幹線で三大都市圏を1時間以内で結び、一つの都市圏のごとく一体化させた「スーパー・メガリージョン」を形成する一方、その他の地方は生活拠点に人口や施設を集約して、ネットワーク連携でコンパクトな30万人規模の都市圏にするとした、国土交通省の「国土のグランドデザイン2050」構想をあげ、「このままでは首都圏一極集中が加速され、地方はますます疲弊する。地域の資源を活用し、既存の集落をどう持続可能にしていくかを考えるべきだ」と問題提起しました。
影山市長は、「小泉改革以来、製造業で雇用の調整弁としての外国人労働者が大幅に増えてきた。県西部はブラジル、ペルーがもともと多く、近年はベトナム、タイ、フィリピンからが増えている」「市の広報誌は、ポルトガル語、スペイン語版も作っている。職業訓練センターでは8ヶ国語の対応をしている」「労働者不足はどの企業からも聞いている」と述べ、製造業に外国人労働者が増えている現状認識とサービス化について答えました。
また、地域振興策については、「例えば高度経済成長期に建設され、建て替え時期にきている施設を、そのまま建て替えるのではなく、いくつかを集約してそこを拠点に賑わいを生み出していくことだと思う」と、国の政策を前向きに受け止め、地方の生き残りを模索していく考えを示しました。
林委員長からは、「フランスには2万の市町村があるが、そのなかには100人の村もある。合併しないのは自己決定権=自治権を確保するのは勝ち取った権利だという意識があるからだ。住民の意見を尊重していくことは大事なことだ」とうったえ。影山市長も、「基礎自治体として住民と近いところで行政をすすめていかなければならない。そのための財源も必要で、税財源の移譲を国や県にうったえている」「今は自治体間でパイの取り合いになってしまっている。全体のなかでパイを増やしていくことを考えなければならない。出生率改善を含め、人口減少を食い止める必要がある」と持論を述べました。