中澤秀一 × 菊池仁 特別対談(7/8ページ)

菊池 わたしたち労働組合のなかでも、憲法の問題や消費税など、そういった政治的課題から目を背けてしまう傾向が最近強くなってきたなというのを感じています。
中澤 労働組合も課題が山積しているなかで、どれに力を入れていくのかというのは難しい問題だとは思います。労働組合だとやっぱり働くということだから、経済に関してはみんなやらなければいけないこととして共感を得られるいっぽうで、なんで政治にも手を出すのかと思われる方もいるかもしれませんが、結局、政治と経済ってセット(政治経済)なんですよね。純粋な経済ではなくて、かならず政治とのかかわりのなかで経済のルールというものはできてくるので、そこのところで言えば政治を変えていかないと経済も変わらないわけですから、そこに労働組合が一定コミットしていくことは、当然やらないといけないことだと思いますし、そこで労働組合が力を発揮しなければ経済もよくならないということを説明していけばいいんじゃないかなと思います。
菊池 わたしも自治体の職員ですが、いま職場のなかではそういった政治のことから一歩引いてしまう兆候があります。たとえば、最近右寄りの方々がやたらと行政に難癖をつけてくることがあります。公共施設に日の丸国旗が掲げられていないだとか、市の事業後援にしても平和の課題を取り上げるとこれはもう政治的じゃないかとか。そうしたなかで職員自身が萎縮してしまう、自己防衛に走ってしまっているところがあるんじゃないかと思えます。
中澤 だからこそ、言われたことに対して「どうして萎縮してしまったんだろう」とか「なんで引いちゃったんだろう」と自分のなかで掘り下げていったときに、出てくるのはやっぱり「恐怖」じゃないですか。そして「恐怖」に対して対抗できるのは、僕は「怒り」だと思うんですよね。だからこういうことに対する「怒り」を一人ひとりが感じて、それを周囲に広げていくというのが必要だと思いますし、そういうのもやっぱり「学び」のなかから生まれてくるのかなと思います。
菊池 そうですね。この点はまた「学び」直していきたいと思います。
中澤 そこをちゃんと「学んで」いかないとなかなか広がっていかないし、自分たちの仕事に責任が持てなくなってくると思うんですよね。
菊池 この問題は広く、組合員のなかで課題として提起していく必要がありますね。
中澤 課題としてぜひ取り組んでいってください。
菊池 組合の主張として「改憲は許さないぞ、そのためにがんばろう」というだけでは駄目で、どうしてそれが必要なのかというところから、一から学び直していかないと、組合員一人ひとりの要求にはなっていかないかなと思います。
中澤 本当にそうだと思います。
菊池 ありがとうございます。

 

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