活動報告

蒲原病院「再編統合すべきでない」が半数以上―アンケート結果を病院長に報告

病床数削減を目的とした「地域医療構想」による公立・公的病院の「再編・統合」は、コロナ危機によって抜本的に見直しが求められています。
県内13病院がリストに挙げられ、自治労連単組のある共立蒲原病院と市立湖西病院も名指しされました。しかし、両病院とも「再編・統合」の基準である「急性期医療の診療実績が特に少ない」、「近隣に診療実績が類似する病院がある」に収まらない、住民のいのちと健康を守る地域医療の要として役割が大いにあります。

こうしたなか、静岡自治労連は「こんな地域と職場をつくりたい」運動によって地域医療を守る取り組みを実践するため、蒲原病院をよくする会と共同で、6月27日に「住民アンケート調査」を実施。地域に1000枚のアンケート用紙を配布し、一週間で100件以上の回答が寄せられるなど、地域住民の関心の高さがうかがえました。現在までに408件の回答が寄せられています。
集約したアンケートは、津市立三重短期大学の長友薫輝教授に分析依頼し、冊子としてまとめました。

アンケート結果では、蒲原病院で受診することを選んだ理由については、「自宅・職場から近い」287人、「公立病院だから信頼できる」167人、「医師・看護師などの対応がよい」94人と、病院が近隣にあり通いやすい点や、公立病院に対する信頼の高さが最も多くなっています。
蒲原病院の再編・統合については、「公立・公的病院の再編・統合はすべきではない」216人(52.9%)と半数以上が再編統合に反対しており、「地域医療が後退しない形で公立・公的病院の再編・統合をすべき」104人(25.5%)を合わせれば、地域医療の提供体制の維持を願う声は80%近くになります。
新型コロナウィルス感染症について、「蒲原病院にも指定病院としての要請があった場合、受け入れるべきだと思いますか?」の質問には、「受け入れるべき」71.6%(292人)が最も多く、コロナ対策に対する住民の理解の高さが示されました。

右から西ヶ谷院長、吉田事務局長、地田委員長(蒲原病職)、笹川市議(富士市議会)、青池書記長(県本部)、諏訪書記長(蒲原病職)

9月11日(金)、静岡自治労連と蒲原病院をよくする会は、蒲原病院の西ヶ谷院長へアンケート結果を報告しました。
アンケート結果に対し、西ヶ谷院長から「たいへん心強い、蒲原病院を残してほしいという住民の強い意識を感じた」、「当院も存続に努力していくべきだと思った」と、地域医療を守る決意が述べられました。

今後は、配布した地域にアンケート結果を返すとともに、自治会や「地域医療構想」調整会議にこの結果を知らせ、蒲原病院を存続させる共同を広げていきます。

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