活動報告

包括業務委託によるサービス低下を住民といっしょに改善していこう―「住みやすい島田市をつくる住民の会」が発足

島田市の包括業務委託問題をきっかけに声が上がっていた「島田住民の会」の発足式が、7月19日(日)、島田市民総合施設プラザおおるりで開催されました。地域住民を中心に市職員を含む50人が参加し、会則、役員体制、取り組む課題などが報告され、会の名称を「住みやすい島田市をつくる住民の会」とし、全員賛成で会が発足しました。

発足式では、静岡自治労連の望月副委員長が、偽装請負について図を使って分かりやすく説明し、包括業務委託の撤回を求める組合の取り組みの経過を報告しました。
次に、包括業務委託の取り組みのなかで静岡県自治体一般労組に加入した組合員が、昨年度まで自らが働いていた窓口職場の現状について報告。「包括業務委託が実施された窓口職場は、ほとんどが経験のないシダックス職員となった。業務の遂行が完了できない状態で、市職員が手伝わざるを得ない状態。ひとつの業務に二重の給与が支給され、包括業務委託が目的としていた業務のスリム化、健全な財政の維持はできていない」と実態を報告。「窓口サービスが低下していく実態を見て見ぬふりをするのではなく、住民と一緒に改善していきたい」と訴えました。
その後、静岡自治労連の青池書記長が国による自治体アウトソーシングの経過と災害やコロナ危機に強い自治体を住民のみなさんとつくっていこうと提起。桜井市議から小中学校の統廃合や大型開発など、市政の課題が報告されました。
後半は参加者による討論がおこなわれ、参加した住民からは、「4月から放課後児童クラブがシダックスに委託され、市職員との連携が取れていない、事務手続きが煩雑になったなど大きな影響が出ている」、「今日は市職員の話が聞けてよかった。委託社員の窓口対応は良いと聞いたが対応が良いのは当たり前で、窓口現場の報告があったように、職場が混乱しているようでは意味がない」、「昔と違い、いまの島田市は市民目線が薄れている。課の名前や場所がすぐに変わって分かりにくい。職員も少なくなって市民対応が丁寧でなくなっている」、「自治体は、非正規化、アウトソーシング、賃金カットをしないと行政を維持することができないと言われているが、そんなことをしなくても住民のための自治体をつくっていく方法を考えなければならない」など、率直な意見が出されました。
最後に「島田住民の会」代表となった鈴木恵さんから「住民は窓口の委託によって市職員と直接やりとりができなくなった。市職員も住民の立場になかなか立てなくなった。これは市にとっても住民にとってもマイナス。これから住みよい島田市をつくるためにがんばっていきたい」と決意が述べられました。

静岡自治労連は、自治労連の「こんな地域と日本をつくりたい」運動の実践として、「島田住民の会」と共同して取り組みをすすめていきます。

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