憲法を地方行政にいかし、改憲反対の共同を広げるべく、静岡自治労連の「憲法キャラバン」が、6月17日の伊東市長との懇談を皮切りにスタートしました。今年のテーマは「安倍9条改憲による地方自治体に対する過度な干渉」、「『自治体戦略2040構想』と人口減少に対する地域振興」の2つです。
6月17日の伊東市では、小野市長をはじめとした当局幹部と静岡自治労連の菊池委員長、青池書記長、伊東市職労連役員で懇談を行いました。
第1のテーマである地方自治体に対する国の過度な干渉については、安倍首相の「自衛官募集に6割以上の自治体が協力していない。だから改憲が必要だ」の発言や、京都市が自衛官募集に際して住民の個人情報を提供した報道を紹介し、伊東市の実態を聞きました。小野市長は「自民党員として自衛隊を視察してきたが必要性はある。救援・救助など消防団的なものだと思っている」と前置きし、「伊東市は自衛隊に対して閲覧以上の情報は提供していない。市から直接入隊をすすめるようなことはしない」としました。
第2のテーマである「自治体戦略2040構想」については、研究会が示した「新たな自治体行政の基本的考え方」を、静岡自治労連が考える「憲法をいかし住民生活を守る」自治体行政の基本的な考え方と対比しながら紹介。特にAIによる職員半減について、小野市長は「最近人と人との直接会話が減り、孤独を感じている人が多いのではないか」、「行政は人と人との関係で成り立っている。AIでは代わりはできない」と、行政の専門性にあった職員数の確保はしていきたいとしました。
また、人口減少問題では、静岡自治労連が環境省のソフトを使ってシミュレーションした伊東市の地域経済循環分析を示し、深刻化している伊東市の高齢化などについて議論しました。小野市長は「若者定住対策として、就学前1年間の保育無償化や居住に対する補助を実施してきたが、なかなか成果はみえない」とし、組合としても地域が元気になるよう協力をしていくことを伝えました。