米国のビキニ環礁における水爆実験によって、静岡県焼津港を母港とする第五福竜丸をはじめ多くの漁船やマーシャル諸島の島民たちが被ばくしたビキニ被災から64年目の3月1日を中心に「被災64年2018年3・1ビキニデー集会」および関連行事が焼津市内・静岡市内で開催されました。
2月27日の日本原水協全国集会国際交流会議には日本全国・海外から130人、28日の全体会には850人、3月1日のビキニデー集会には約1800人が参加し、静岡自治労連も要員として運営にかかわったほか、多数の組合員が参加しました。
3月1日の午前中には、ビキニ被災で亡くなった久保山愛吉氏(第五福竜丸元無線長)の冥福を祈り、献花墓参平和行進と墓前祭がおこなわれました。
全国から集まった1500人の参加者は、久保山氏が生前好きだったバラの花を手にJR焼津駅から墓前祭がおこなわれる弘徳院まで約2キロの道程を行進。沿道の市民らに向かって核兵器のない世界の実現や日本政府に核兵器禁止条約に調印・批准するよう迫っていくことをアピールしました。
同日午後から焼津市文化センターにて、3・1ビキニデー集会が開催されました。
はじめに主催者を代表して県原水爆被害者の会の川本司郎会長が開会あいさつ。昨年国連で核兵器禁止条約が採択され、ICAN(核兵器廃絶国際キャンペーン)がノーベル平和賞を受賞するなど、この核兵器廃絶の歴史的チャンスに運動を飛躍させようと呼びかけました。
つづいて焼津市の中野弘道市長が来賓あいさつ。また、広島・長崎の両市長や各政党代表から寄せられたメッセージが紹介されました。
主催者報告では、原水禁世界大会実行委員会運営委員会の野口邦和共同代表が登壇。日本政府が「核兵器のない世界の実現」を求める世界の流れに逆行し、米国の核抑止力への依存を強め、9条改憲の強行をねらうもとで、「ヒバクシャ国際署名」や「安倍9条改憲NO!3000万人署名」の取り組みを旺盛にすすめ、日本政府の暴走を食い止めようと呼びかけました。
「ビキニ被災事件を語る」と題した企画では、第五福竜丸元乗組員の大石又七さんと池田正穂さんが登壇。大石さんが「わたしは核兵器も原子力発電も反対だ。安心して暮らせる日本を守るためにいっしょに考えよう」と発言しました。また、高知・ビキニ国賠訴訟原告の増本和馬さん、マーシャル諸島のブルック・タカラさんが、それぞれ国賠訴訟勝利への決意表明と核被害に苦しむ自国への支援を呼びかけました。
つづいて広島県被団協の佐久間邦彦理事長が被爆者の立場から発言。核被害者との連帯を深め、核兵器禁止条約の早期発効と核兵器廃絶のために国際署名の推進をうったえました。
「核兵器のない世界と北朝鮮問題の解決のために」のテーマでおこなわれたトークセッションでは、3人の海外代表が登壇。朝鮮半島の核問題や核兵器禁止条約の調印・批准を政府に迫るうえで各国の取り組みが発言されました。
リレートークでは、京都宗平協、生活協同組合ユーコープしずおか県本部、福島県民医連、横須賀原水協、日本民主青年同盟の代表者らが、さまざまな立場から核兵器廃絶に向けた思いと運動を報告しました。
集会の最後に「被災64年 2018年3・1ビキニデー集会アピール(案)」が提案され、満場の拍手で採択。参加者全員による「ウィ・シャル・オーバーカム」の歌声とともに、核兵器廃絶や原発ゼロ、憲法改悪阻止に向けた運動の跳躍を誓いあいました。