静岡県公務・公共業務労働組合共闘会議(静岡県公務共闘)は、7月14日(金)、公務労組連絡会賃金専門委員の竹内敏昭氏(自治労連本部中央執行委員)を講師に招き、「地域手当と最低生計費 学習会」を開催。加盟組織から約30人が参加し、静岡自治労連からも17人が参加しました。
はじめに静岡県公務共闘の木藤功議長(静岡高教組委員長)が「地域手当や生計費はわたしたちの賃金の基準になると同時に、地域間格差や貧困の問題にも大きく関わるものだ。地域手当の問題を学習し、今後の運動にいかしていこう」とあいさつしました。
つづいて竹内氏による学習会がおこなわれました。竹内氏は、この間取り組まれた最低生計費試算調査のもとで、健康で文化的な生活を営むための費用は全国どこでも同じということが明らかとなったと報告しました。
また、生計費とわたしたちの賃金の関わりについて、国家公務員法でも地方公務員法でも生計費を賃金決定の原則と定めていながら、生計費原則が形骸化され、霞が関優遇と地域間格差が広げられてきた経過を説明。2006年の「給与構造改革」では、基本給一律4.8%引き下げたうえ、生計費に基づかない地域手当を導入。さらに2015年の「給与制度の総合的見直し」では、最低賃金がDランクの12県にあわせて給料表を平均2%引き下げるなど、2006年以降、急速に最賃の地域間格差が広がり、民間の賃上げがすすまない大きな要因にもなったと説明しました。
竹内氏は、地域手当が無支給の地域と東京23区(1級地・20%支給)の職員賃金では、初任給で月額2万7000円、生涯賃金では3200万円もの格差があると言い、「生計費は全国どこでも同じなのに、同じ仕事をしていて、地域手当によってこれだけの格差がつけられている。わたしたちはもっと怒りの声をあげなければならない」と強調しました。また、地域手当は公務員の賃金のみならず、介護報酬、保育の公定価格、医療報酬など、多岐にわたって地域経済に影響を及ぼすものだと話しました。
竹内氏は「これらの格差と低賃金を解消するためには、春闘を起点にわたしたち公務労働者が、すべての労働者の賃金引き上げに向かって大真面目にたたかうことが必要だ。春闘の賃上げなしに公務員賃金の引き上げはない」と強くうったえ、社会的賃金闘争(最賃、公契約ではたらく労働者の賃金、公務員賃金の引き上げ)や官製ワーキングプアの解消など、地域の民間労組とともに取り組みを広げていこうと呼びかけました。
つづいて静岡自治労連の小泉治書記長(静岡県公務共闘事務局長)が、各単産・単組で賃金の学習や生計費にもとづく賃金闘争をすすめ、地域手当の改善、最終的には廃止を求めていこうと行動提起。林克委員長(静岡県公務共闘副議長)が、「アベノミクスが東京とそれ以外の地域の格差を広げてきたもとで、地域の格差解消の運動の先頭に公務公共労働者が立つことは地域住民の信頼を得ることにもつながる。今日の学習をこれからの運動にいかしていこう」と閉会あいさつし、学習会を終えました。
活動報告