中澤秀一 × 菊池仁 特別対談(8/8ページ)

菊池 いま公務員がどんどん減らされて、非正規の職員が増えて、また、様々な公共施設が民間委託されているなかで、わたしたちが自治体職員として行政に対してどのように責任を持っていくべきなのかを考えていく必要があると思いますし、わたしたち自治労連は「地域住民の繁栄なくして自治体労働者の幸福はない」という自治体労働者論に立って、「こんな地域と職場をつくりたい運動」に取り組んでいます。そこのところを掘り下げて、今後もわたしたちの労働はどうあるべきかというところをお互い話し合っていこう、いま一度見つめ直していこうということで、近年力を入れて取り組んでいます。
中澤 どうして自治体職員、公務労働者になったのかと言えば、「地域の住民のために働きたい」ということが根本にないと駄目なのかなと思います。もちろんそればっかりじゃないと思うんですけど、実際いまの学生に「どうして公務員になりたいの?」と尋ねたときに「安定した仕事だから」というところがいちばんに来てしまっていると、やっぱり自分のことしか考えられなくなってしまうわけで、でもやっぱり公務労働者になるということは、その地域をどうやれば盛り上げていけるとか、地域の住民のために何ができるかということが大事だと思うので、労働組合としてもあらためてそこが大事だということを一人ひとりが自覚していかないと、運動につながっていかないと思うんですよね。もちろんそういうふうに考えて地域住民のために働いている方がほとんどだと思うんですけど、でも最近の若者の考え方として、「安定している」「守られている職場だから」という、自分のことしか考えていないところも出てきているのかなと思うので、そこは地域住民であったり、あるいは隣で働いている非正規の労働者のところにまで視野を広げていく必要があると思います。韓国に行ったときにいちばん感じたのが、「労働組合はすべての労働者の代表である」という言葉がありましたけど、やっぱり「公務労働者はすべての地域住民の代表である」という自覚がないとやっぱり動けないと思うんですよね。逆にそういう自覚があれば、様々な運動にそれが生きてくると思うので、普段の「学び」のなかで、「そういうものなんだよ」という話を今後もつづけていくしかないと思いますね。
菊池 そうですね。いま公務の職場で働いてる人は、みんなそれぞれ真面目に考えてやっていますし、特にいま役所に就職する若いひとたちも、やっぱりそういうところは強く思っているのを感じます。そういう気持ちは大切にしてあげて、しかし一人ひとりが思っているだけでは駄目なものですから、それを表に出してみんなでいっしょの目的に向かってすすんでいくことができるようにするため、その媒体として労働組合があるのかなと思います。そこのところをいっしょに学び合える、話し合える、そういう場を労働組合として提供していきたいと思います。
中澤 そういう声があるのであれば、ちゃんとそれを吸い上げて、拾い上げていくということが必要です。一人ひとりの労働者がいま抱えている問題があると思います。たとえば仕事がいっぱいでなかなか終われないとか、給料が少なすぎるだとか、色々と問題を抱えているなかで、そこをきちんと拾い上げていく、吸い上げていくなかで信頼関係というものができてきて、労働組合の力が強くなっていくと思うので、そうしたことも皆さんにお願いしていきたいところかなと思います。
菊池 ありがとうございます。中澤先生からの熱いエールということで、受け止めさせていただきます。
中澤 僕の勝手な思いなんですけど、地方にいくと公務労働者しかまともな仕事についている人がいなくて、そこが地域の経済を回しているところがいっぱいあるんですよね。やっぱり公務労働者って、地域にとってベースっていうか、基礎になる人たちだと思うので、この人たちがきちんとまず働ける状況があって、それがまたほかの人たち、民間労働者にも波及して、きちんと守られていく、働けるようになるわけだから、そういう意味ですごく大事な人たちだと思っていますので、そこが守られていかないと、権利が守られるべきだと思うので、頑張ってほしいなと思います。
菊池 ありがとうございます。今日の対談は7月の参議院選挙に向けてということではありましたが、そこに留まらない多様なテーマでお話をうかがうことができました。
中澤 選挙がゴールなのではなく、ずっとつづいていく話ですね。
菊池 今回の選挙は、いまお話いただけたような視点で、世の中であったり、自治体の職場であったり、よりよく変えていくことが可能になる選挙結果になってほしいと思っています。
中澤 そうですね。
菊池 そうしたことに向けて、まずはいまお聞きしたような話を、職場で話題にしていってもらえればいいと思います。
中澤 まずはそこからですね。とかくいまは政治のことを話題にしにくいじゃないですか。右とか左とかそういう話になってしまいがちなので。もっとカジュアルにそういう政治の話ができるといいですね。
菊池 そうですね。
中澤 ひきつづき菊池さんには頑張っていただいて、もちろん菊池さんひとりじゃなくて、みんなでやっていけばいいなと思うので、僕も自分でやれることはやっていきますので、ひきつづき自治労連さんには生計費調査など色々と助けてもらわなければいけないところが出てくると思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
菊池 ありがとうございました。

▲ このページの先頭にもどる

© 2017 - 2019 静岡自治労連(静岡自治体労働組合総連合)