保育部会では、「福祉」である公立保育所の必要性をいま一度見つめ直し、すべての子どもの幸せを願う立場から、公的責任の拡充、基準の引き上げ、格差をなくす運動をすすめています。
保育所は保育所のままで
2015年4月から「子ども・子育て支援新制度」が施行されたもとで、公立保育所・幼稚園の再編が急速にすすめられています。静岡市では、多くの保護者や職員の思いに背を向け、「新制度」施行と同時にすべての公立保育園・幼稚園を幼保連携型認定こども園に移行しました。また、施設の老朽化などを口実とした統廃合や民営化が各地で相次いでいます。
保育部会では、児童福祉法24条第1項「市町村保育実施義務」を守り、公立保育所の認定こども園化、民営化はおこなわせず、認可保育所は認可保育所のまま存続させる運動に取り組んでいます。
保育士不足と処遇改善の取り組み
2016年春、「保育園落ちた日本死ね!」のブログ記事をきっかけに、待機児童問題の原因として、保育士不足や保育士の劣悪な賃金・労働条件がクローズアップされました。県内の公立保育所においても、募集をしても保育士が集まらないなど、保育士不足は深刻です。いっぽうで国は保育士不足を梃子にして、配置基準の切り下げや資格要件の緩和、既存施設への詰め込みなど、規制緩和を強引にすすめています。
保育部会では、保育士の専門性を軽視した規制緩和を許さず、正規保育士の積極的な採用を求めるとともに、非正規保育士の雇用を守り、処遇改善のための運動に取り組んでいます。
また、2019年4月から「働き方改革」の実施、そして10月から「幼児教育・保育の無償化」で保育需要の急増が見込まれるなか、職員の勤務条件の改善や十分な職員体制が整備されているかを調査するため、「保育園、こども園職場の『働き方』実態アンケート」を実施しました。
学習を力に、制度改悪許さない運動を
保育部会では、定期的に学習会を開催し、「新制度」や「認定こども園」の問題点や、民営化・認定こども園化に対する運動、保育士の専門性と保育実践など、さまざまなテーマで学習を深めています。また、10年ぶりに改定された保育所保育指針は、安倍首相がすすめる「教育再生」の理念にもとづく「教育」を保育現場に強要するものであり、子どもの権利よりも国家の意向が優先されるなど、さまざまな問題を抱えています。保育部会では、自治労連作成のパンフレットなどを活用し、「改定」の問題点についても周知していきます。
また、機関紙「ほいくだより」を発行し、保育部会の活動や各単組・地域の取り組み、国の動向や「新制度」の問題点などを、組合員にわかりやすく発信していきます。
よりよい保育を!実行委員会に結集して
保育部会では、よりよい保育を!実行委員会に結集して、国会請願署名や政府・国会要請行動に取り組んでいます。国会請願署名は、組合員のみならず保護者や地域住民の協力のもと、毎年数万筆の署名を集めています。集まった署名は政府・国会要請行動で、紹介議員を通じて国会に届けています。また、「11・3保育大集会」に結集し、公的保育の拡充や認可保育所の増設、保育士の処遇改善などを市民にアピールしています。