青池 人員の問題はどうですか?この間、集中改革プランやら定数削減やらで、自治体の職員がさんざん減らされてきました。いざ災害が起きたときに、いまの人員じゃ足りないんじゃないですか?
伊藤 そこはやっぱりボランティアに頼るしかないんしょうか。
杉岡 いや、ボランティアに頼らざるを得ない場面があったとしても、災害時にボランティアをただ待っているだけの行政では駄目だと思いますよ。先ほども言ったように、ボランティアが集まるところは早く復興して、集まらないところは復興しないというのは問題があります。それなら、行政もただ受け身でボランティアを待つのではなくて、自分からメディアの前に立つくらいじゃないといけないと思います。
青池 静岡市では、監査が「清掃の人員がこんなに少なくて、災害時は大丈夫なのか?ごみ収集は大丈夫なのか?ちゃんと人員を採用すべきなんじゃないか?」って指摘しているんですよね。
梶井 それで新規採用があったんですか?
青池 まだそこまではいっていないけど、「検討する必要があるんじゃないか」という話にはなっています。民間企業だと利益がないと動けないから、災害時に「動いてくれ」って言ってもなかなか動けないでしょうしね。
杉岡 協定を結んでおけば、業者にとっても作業がボランティアじゃなくて、あとで国や自治体から対価が支払われますしね。ただ、あらかじめきちんと体制をつくっておかないと機能しないでしょうね。
伊藤 そのほか何かご意見や感想はありますか?
福島 被災地に行って、静岡県からボランティアに来ている人が少ないかなと感じましたね。
杉岡 そうだね。自分としてはもっとみんな参加してくれてもいいのになって思いますね。
鈴木 ボランティア全体の年齢層を見ても、学生か、さもなくば50代過ぎの人が多かったね。いちばん動ける年齢層が少なかったなって思いましたね。
青池 「スーパーボランティア」って話題になりましたね。
杉岡 広島にもそういう人はいましたよ。石巻でもいっしょにやったことがある人で、各地にそういう人がいたりするんだよね。もう、ボランティアの達人みたいな人。
伊藤 「軽い気持ちではボランティアはできない」っていう意識が、ボランティアにまだ参加されたことのない人のなかには少なからずあるんじゃないかなって思います。先ほどから皆さんがおっしゃっていたように、「一人ひとりの力は小さくても、それがみんなの力になる」っていうことを伝えていかないといけないですね。
杉岡 やってみたら、たいしたことはないので。難しく考える前にやってみてほしいです。
鈴木 「わたしにはできない」って思わずに、みんな参加してほしいですね。
杉岡 一回ボランティアをやってみてそれで満足する人もいるし、自分の力が役に立つならまた参加してみたいって思う人もいるし。人それぞれなので。
伊藤 ありがとうございます。本日は皆さんから貴重なお話を聞くことができて、被災地のリアルな姿とか、みんなにボランティアに参加してもらうためにはどうしたらいいかとか、わたしたち自治体・公務公共労働者が災害とどう向き合って、何をすべきなのかとか、少しずつ課題が見えてきた気がします。本日は本当にありがとうございました。