自治労連の「こんな地域と職場をつくりたい」運動・リーディングケースとして、6月の蒲原病院住民アンケート調査につづいて、11月3日(火)、湖西病院住民アンケート調査を実施しました。
湖西病院の評価や公立・公的病院の再編統合、新型コロナに対する医療機関への要望など、21項目からなるアンケート用紙をポスティングし、道行く住民にヒアリングを実施しました。
当日は40人が参加。静岡自治労連、湖西病職労、浜松市職、浜松医療センター労組、そして「西部地域の医療を守る会」と、住民運動と共同した取り組みになりました。
行動前にあいさつに立った静岡自治労連の菊池委員長は、「蒲原病院住民アンケートは、地域医療を守ってほしいが8割という結果になった。湖西市の皆さんも同様な意見を持っていると思う。今回のアンケートでそれをはっきりさせていきましょう」と調査の意義を語りました。
「西部地域の医療を守る会」の堀田代表は、「厚労省の公立・公的病院の再編統合をきっかけに、県西部の医療体制を崩壊させてはいけないと『守る会』を立ち上げた。このアンケート結果で運動を盛り上げていきたい」と決意を述べました。
また、自治労連本部から川村中央執行委員と木内書記が応援に駆けつけ、共に行動しました。
用意したアンケート用紙1000枚に対し、5つの地域に分かれ二人一組でポスティングを行いました。また、途中、外出中の住民に声を掛け、湖西病院を受診した感想や再編統合リストに湖西病院が挙げられたことについての意見を聞きました。
ヒアリングに答えた住民からは、「湖西病院の内科を受診したが対応がよかった」、「救急・夜間の実施は助かる」、「子どもの熱で救急を利用し、当直医がしっかりしていてよかった」など、地域に根ざした医療提供がたいへん好評でした。いっぽう、「待ち時間が長い」、「検診の予約が取れない」、「車を運転できなくなったら通うのに不便」など、医療機関が少ないことによる不満の声も出されました。
再編統合については、「湖西病院がリストに挙がっているとは知らなかった」と驚く住民が多く、「夫が週2回通院している。湖西病院がなくなったら困る」、「他の病院と連携して存続してほしい」、「再編統合でなく、もっと充実してほしい」など、病院存続を求める声が多く出されました。
湖西地域は、医療機関や医師数が少なく、特に周産期医療の確保が課題です。交通手段も乏しく、外来受診や患者搬送に困難を生じています。しかし、医療格差を解消するため、西部地域の救急医療を各病院が輪番制によって担当し、「浜松方式」と呼ばれる体制をつくりました。周産期医療も救急医療との連携体制が構築され、正常分娩やハイリスク症例にも対応できています。
こうした努力をまったく無視した厚労省の再編統合の押し付けには、自治体や医療関係者から批判が上がっています。
今年6月、静岡自治労連が湖西市の影山市長に申し入れした際には、「現時点で湖西病院の再編統合は考えていない」、「湖西病院は地域医療の拠点として住民に求められている」と回答し、同様の内容を厚労省に伝えたとしました。
静岡自治労連は、湖西病院や西部地域の医療を守り充実させるため、これから住民アンケート調査の結果を分析し、多くの住民に知らせる運動をすすめていきます。