静岡県議会は、県が締結する売買や賃貸、請負契約等において、ダンピングなどの不正行為のない透明性のある競争が行われるよう「静岡県公契約条例」の制定をめざし、7月10日に検討委員会を設置。来年2月議会での条例制定に向けて議論がすすめられています。
しかし、自民改革会議から現在出されている条例案は、適正な契約をするとの基本理念を呼びかけるのみの内容であり、直接具体的な労働条件を守るものとはなっていません。
静岡自治労連は、静岡県評とともに、現在検討されている条例案を早期に制定・実施をしていくなかで、理解を深め、さらに実効力あるものにしていくため、「契約を請け負った事業者で働く労働者の労働条件の改善につながること」、「条例の理念の実施を調査・審議するための審議会の設置」、「指定管理者との協定も含むこと」、「地域活性化のため県内居住者の雇用機会の優先的な確保」がされるよう、8月27日(木)、県議会各会派への要請行動を行いました。
要請には、静岡自治労連から菊池委員長と青池書記長、静岡県評から廣瀬事務局長、建交労東海ダンプ支部から高橋書記長が参加しました。
自民改革会議は野崎正蔵議員が対応。「さまざまな団体から要請を受け反響が大きい」、「労働者の適正な労働条件の確保は、県・事業者の責務としている。これで違法の内部告発などのような発見できる統一した制度を作ればよいのでは」、「賃金の下限を設けてほしいとのことだが、関連する他の法律(26種)の遵守を求める」、「指定管理を含めている県もあるが、契約ではないため静岡県は条例の対象にしていない」など、この先状況の変化に応じ、年々検証しながら発展させていけばよいとの考えを示しました。
ふじのくに県民クラブは、岡本護、杉山淳、山﨑真之輔の各議員が対応。条例に労働者を守るための具体的内容が盛り込まれるよう要請すると、「ひとつでも具体的なものを入れられるようにしていきたい」、「条例第6条2項『県の取組方針』でいう必要な事項とは何か、具体的に聞いていきたい」、「取組方針は委員会で決めるのではなく県当局が決めるが、具体的なことも導入できるよう意見を出していきたい」など、労働者視点に立った対応をしたいとのことで、尽力されるようお願いしました。
公明党県議団は蓮池章平議員が対応。「細かく書き込むことは難しいことと、言葉のなかに浮き出ているものがある」、「条例を作ったことにより、働き方改革が具体化していくようにしたい」と述べました。
自治体発注の仕事でワーキングプアをつくらないこと、これが公正な立場であるべき自治体の責務です。そのため、従事する労働者の労働条件に「下限」を設けて、この「下限」を下回る労働を禁止することが必要であり、これを実現させるのが「公契約条例」です。業者としても、限りない価格競争から抜け出すためにも「公契約条例」は有効です。
県議会で条例化への議論がすすむなか、県と契約を交わす事業者とそこに働く労働者を守る条例でなければ地域の活性化にはつながりません。静岡自治労連は、実効性ある条例となるよう要請を継続するとともに、県内の市町へも広げられるよう運動を強めていきます。