活動報告

「適正な指定管理者制度を実現するための提言案」―県内すべての自治体提出へ向け記者発表

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静岡自治労連では、指定管理者制度を自治体の経費節減、コストカットの手段とするのではなく、より良い住民サービスの確保、施設で働く労働者の適正な賃金・労働条件を実現させるため、2015年6月に「適正な指定管理者制度を考える研究会」を発足。事業主・労働者に対するアンケートや、事業主との懇談、施設の視察などに取り組んできました。
アンケート結果や懇談では、「指定管理者制度になじまない施設については直営に戻すか、非公募にしてほしい」、「自治体からの指定管理料は毎期ごと削られ、積算基準も不透明」、「3年や5年の指定管理期間では成果はでない。職員は雇用不安を抱えモチベーションが低下している」などの意見が出され、指定管理者制度の目的と実際の管理運営上で乖離があることが明らかになりました。
研究会では、これらの問題点を改善するため、7つの改善策を具体的に示す「適正な指定管理者制度を実現するための提言案」を作成。7月11日(火)には、県政記者室で記者会見を開きました。

記者会見には、研究会メンバー6人のほか、指定管理施設で働く労働者3人が出席しました。
はじめに、研究会を代表して静岡自治労連の林克委員長が趣旨説明。指定管理者制度による人件費削減に歯止めをかけるため、政策的な解決をめざして調査を積み重ねてきた経過を報告するとともに、現在、上下水道のコンセッションや市民課窓口の委託化など、安倍内閣による「公的サービスの産業化」が進められているもとで、今回の政策提言の重要性をうったえました。
つづいて、静岡自治労連の青池則男副委員長が「提言案」について説明。当該施設の設置主体である自治体職員の平均給与を基準とした人件費積算、公募・非公募の基準、雇用継承の設定など「提言案」のポイントを説明したうえで、「『提言案』を県内すべての自治体へ提出し、制度改善を求めることで問題を解決していきたい」と話しました。
また、指定管理施設で働く社会福祉協議会の職員から、「社協が指定管理者に受託されなかった場合、介護保険事業所は立ち退きという事態が出てくる。地域福祉を守るという意味では、福祉関係の事業所は指定管理者制度の対象から外すか、非公募にしてもらいたい」とうったえがありました。
研究会メンバーの自治体職員は、行政の立場から指定管理者制度の選定基準について課題提起。「指定管理料を安く申請したものは得点が高くなるなど、経費節減に重点がおかれる傾向にあるなかで、その歪みが現場の労働者に出ている。『提言案』を制度見直しの機会にしていきたい」と述べました。
また、2人の研究者も発言。静岡県立大学短期大学部の中澤秀一准教授は、「研究会の視察で福祉施設が指定管理者制度になじまないことを実感した。低賃金で、職員のモチベーションが上がらないなか、適切なサービスを提供できるのかは疑問だ」とし、「提言案」のように「管理運営を安定して行う能力」を最優先の基準にすべきと述べました。
静岡英和学院大学短期大学部の児玉和人准教授は、「指定管理者制度導入期から自治体のコストカットが懸念されたが、研究会のアンケート結果は当時の懸念を裏付けるものだ。いま行政サービスの水準が保たれているのは、低い賃金でありながらも、職員の責任感と行政の末端を担っているという思いで支えられている。このまま制度を継続していくには厳しい」と、「提言案」による改善をうったえました。

「適正な指定管理者制度を実現するための提言案」の詳細は、研究会HPをご覧ください。

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