活動報告

コンパクトシティに住民自治の視点は不可欠―「第21回静岡県地方自治研究所総会」

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静岡県地方自治研究所は、7月1日(土)、静岡市内で第21回総会を開催。自治体労働者をはじめ、55人が参加しました。
冒頭、主催者を代表して静岡県地方自治研究所の川瀬憲子理事長代行(静岡大学教授)があいさつ。この間、安倍政権のもとで改憲をめぐる動きが加速し、地方自治の中身が大きく変えられようとしているなかで、あらためて憲法に定められた地方自治の意味を考え直す必要があると話しました。
つづいて、第1部として、愛知大学の鈴木誠教授による「日本型コンパクトシティと地域経済の再生―分権分散方式による『市街地再生計画』制度への転換―」と題した記念講演がおこなわれました。
鈴木教授は、人口減少に対応した「コンパクトな地方」と、国際的な競争力をもった国土づくりをねらいとした「対流促進型」国土形成計画のもとで、大都市圏をリニア中央新幹線で結ぶ「スーパー・メガリージョン」が位置づけられ、その補完として地方都市で「コンパクトシティ」づくりがすすめられていると説明。また、欧州のコンパクトシティ政策が、民間の乱開発をコントロールしながら居住環境の改善を目的としていることに対し、日本では貿易摩擦の対策として内需拡大・規制緩和を推進し、都心の大規模再開発をすすめるなど市場原理を前提としたものにすり替えられ、「人が住む、コミュニティをつくっていくということが二次的なものになっている。『自治』ではなく『経済』の論理によるものだ」と両者の違いを強調しました。
鈴木教授は、この間全国の地方都市で取り組まれている「立地適正化計画制度」について、静岡市のコンパクトシティ政策の事例をもとに問題提起。静岡市では、6つの集約化拠点形成区域を設定し、市民アンケートでも生活に便利な市街地に大きな期待が寄せられるいっぽうで、地域防災計画においては、都市拠点・地域拠点など地域単位の防災計画が策定されていないなど、「コンパクトで合理的で利便性の高い空間づくりを優先するいっぽうで、根幹となる災害リスクに対応した計画づくりや運用の体制が不十分だ」と鋭い指摘。安全で持続可能なまちづくりのためには、トップダウンの防災計画ではなく、集約化拠点形成区域や市街地形成区域ごとに「地区防災計画」を策定するなど、住民や中小企業、公共機関の連携のもとで、住民自治を前提とした防災コミュニティが必要不可欠だと主張しました。
質疑応答では、自治の単位として政令市の行政区の考え方や、リニア中央新幹線・「スーパー・メガリージョン」における静岡県の位置づけなど、参加者から質問や感想があいつぎました。

三橋理事長の冥福を祈り、黙祷を捧げる参加者

つづいて、第2部として、総会の議事がおこなわれました。
はじめに静岡県地方自治研究所の岡村哲志理事を総会議長に選出。つづいて3月に逝去された三橋良士明理事長の冥福を祈り、全員で黙祷を捧げました。
その後、小泉治事務局長(静岡自治労連書記長)が16年度の事業・活動報告、17年度の活動方針案を提案。志田剛事務局員が16年度決算報告、17年度予算案の提案をおこないました。参加者からも活発な意見があいつぎ、すべての議案は拍手で採択されました。また、川瀬新理事長をはじめとした新年度役員を選出しました。

総会終了後には、「静岡県地方自治研究所設立20周年を祝うつどい」が開催されました。志田事務局員が記念冊子「しずおか地方自治の旅」の紹介をおこなうなど、20年の活動を振り返りながら、今後の自治研活動を活性化させていく展望を語りあいました。

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